『速さは全てを解決する「ゼロ秒思考」の仕事術』(赤羽雄二著、ダイヤモンド社)に仕事のスピードアップ術を学ぶ
先日、職場の上司が異動した。後任はおらず、私がその上司の仕事も行うことになった。当然、これまでの担当業務も行わなければならないので、業務に追われるだけの毎日になり、精神的にも肉体的にもキツい。これは何とかしないと身が持たないと思い、書棚からヒントを得られそうな本を探してみることにした。
目にとまったのは『速さは全てを解決する「ゼロ秒思考」の仕事術』(赤羽雄二著、ダイヤモンド社)という本。手一杯の業務をこなすには、部内のメンバーの業務分担を再考するという手もあるが、まずは自分の仕事のスピードを上げることを第一に考えてみることにした。
本書の中で著者は「速さ」は次の5つのことを解決してくれると述べている。
①やるべきことにすぐ着手できる
②頭がより働く
③PDCAを何度も回すことができる
④やる気が出てくる
⑤実力を出せる
これまで以上に仕事を「速く」行うことで、業務に追われるだけの状態から抜け出すということ以上のメリットがありそうである。ちなみに仕事を「速く」行うというと、ついついテクニック的なことを思い浮かべてしまうが、実はもっと大事なことがある。それは仕事の全体像を把握し、最終成果を出すために必要なことを段取り、それに注力するということである。いくら仕事を「速く」こなすことができても、不必要なことに注力していては元も子もない。また最終成果やゴールのイメージを明確にすることも大事である。ゴールとは違った方向に全力疾走してもむなしい結果を迎えるだけである。
もちろんテクニック的なことも仕事を速く行ううえでは有効である。パソコンで資料を作ったり、メールのやりとりをするならブラインドタッチは必須であるし、ショートカットキーを覚えることも仕事を高速化するには必要である。時間がかかるメールのやりとりについても優先順位を設けず受信した順にどんどん返信してしまうと意外と速く終えられたりする。
ここまでは私も行っているし実際に行っている人も多いと思う。本書ではそれ以外にも、高速で文を入力するために単語登録や、一度作った資料をほかの案件にも活かす方法、また資料を保存する際のファイル名のつけ方など目から鱗な高速化の方法がたくさん紹介されている。私もこれまで以上に仕事を「速く」行うために、本書で書かれていることをどんどん実践していきたいと思う。
今回の参考書籍。仕事を高速化するために大事なことがわかりやすく書かれている。テクニックに終始しておらず、段取りやゴールのすり合わせが重要と説いているのがとてもよい。