サラ・リーマンの読書備忘録

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『ハーバード流幸せになる技術』(悠木そのま著、PHPビジネス新書)に幸せになる生き方を学ぶ

『ハーバード流幸せになる技術』とはキラキラ女子が好きそうなタイトルである。個人的にはあまりこういう本は読まないのだが、タイトルにある「技術」という単語が気になったので読んでみることにした。

 

幸せというと、社会的地位、お金、結婚などを想像してしまうが、これらを得ても必ずしも幸せになれるとは限らない。社会的地位を獲得してもそれはやがて当たり前になってしまうし、お金を得ることを目的にするのはゴールのないマラソンを走るようなもので際限がない。また、結婚の蜜月も2年しか続かないと言われている。

 

それでは幸せになるためにはどうすればよいのだろうか。著者は幸せになるとはどういうことなのかをまず定義したうえで、幸せになるためにすべきことを次のように述べている。

 

学問的には、感情的な側面と認知的な側面からアプローチがされています。感情的な側面とは、幸せを「喜び」や「満足感」のように日々移り変わる感情として捉えるものです。認知的な側面とは、自らの人生がどのような状態にあるかを通し、幸せを「意味」や「価値」として持続的に捉えるものです。

サイエンス・オブ・ハピネスを牽引するソニア・リュボミアスキーは、幸せをこれら両側面から捉え、「日々が喜びや充実感に溢れ、自分の人生が有意義で価値的なものだと捉えている状態」と定義しています。この定義を要約すると、ハーバード大学で「幸せになるための講座」を担当し人気を博したタル・ベン‐シャハーの定義、幸せとは「喜びに満ち、人生の意味を感じる経験」と重なります。

 

つまり、私たちがすべきことはふたつです。ひとつは、日々の喜びを味わうこと。もうひとつは心理的成功をとおして、意味のある人生を築くことです。

 

ひとつめの「日々の喜びを味わうこと」はとてもわかりやすいと思う。日々たくさんの小さな楽しみを味わったり、モノよりも経験にお金を使うと、日々の満足度が高くなる。私も毎朝のコーヒーはちょっと良いコーヒー豆を挽き、ドリップして飲んでいるが、コーヒーのよい香りが部屋中に充満してとても良い気分になる。そしてコーヒーを飲みながら、本を読むひとときはたまらない。

 

一方、もうひとつの「心理的成功を通して、意味のある人生を築く」は少しわかりづらいが、人生の目的を持ち、それに向かって努力していくことというとわかりやすいかもしれない。例えば、ソフトバンクグループ代表の孫正義氏はこう述べている。

 

「情報革命で人々を幸せに」。

この経営理念の下、グループ会社一丸となってその実現に向けて行動するのみです。

 

こうした目標(理念)に向かって努力することは、自分自身を成長させてくれるし、なによりも努力すること自体が喜びや満足感を与えてくれる。このように目標(理念)を設定することで、意味のある人生を築くことができるのである。(もちろん目標はラットレース型の経済的・社会的成功を目指すものではなく、「日々の喜び」や「人生の意味」を同時に感じられるものでなければならない。)

 

孫正義氏の代表挨拶。

www.softbank.jp

 

私はこれまで、人生の意味ということはあまり考えてこなかった。日々楽しく過ごせばそれだけでハッピーというように単純に捉えていた。ただし、それだけでは表面的には楽しくても内面的には充実していないような気もする。孫正義氏のように社会を変える!というような壮大な目標は考えられないが、人生をより良くするために、自分の人生の目標(理念)というものを一度考えてみたいと思う。

 

今回の参考書籍。幸せとはどういうことなのかということを定義したうえで、幸せになる技術が紹介されているのでとてもわかりやすい。お金、仕事などの考え方もとても参考になるので、繰り返し読んでいきたい。

ハーバード流 幸せになる技術 (PHPビジネス新書)

ハーバード流 幸せになる技術 (PHPビジネス新書)