『投資バカの思考法』(藤野英人著、SB Creative)に20年後もお金に困らない生き方を学ぶ
「貯蓄から投資へ」と叫ばれて久しいが、なんだかんだで投資へのハードルは高い。下手に手を出して損するくらいなら、たとえ微々たる利息でも預金口座にお金を寝かしておくほうがよい。これまではそんな風に考えていたが、『投資バカの思考法』(藤野英人著、SB Creative)を読んでその考えが少し変わった。
本書の「はじめに」で触れられているのだが、今後は現金を貯めこんでいる人が損する時代になるかもしれない。これは日本が抱える1,000兆円もの借金と関係がある。政府はこの膨大な借金を減らすために個人が保有する870兆円、そして企業が保有する200兆円という多額の現金を動かそうとしているのである。この現金を動かすために政府がとっている主な施策は以下の2つである。
①増税
②インフレ
①の増税はもはや言うまでもないが、②のインフレは少しわかりづらい。たが、よく考えるとここ3年くらいで円はドルに対して安くなったし、「黒田バズーカ」が効いているのか物の値段が少しずつ上がってきた(現金の価値が下がってきた)ことは感じることができる。それならばこの増税とインフレに対抗するにはどうすればよいか...となるとやはり「貯蓄から投資へ」ということになるのである。今は現預金を持っていても価値が下がるというのは想像できないが、今後数10年という単位で考えると今のうちに手を打っておく必要はありそうである。
ちなみに本記事の冒頭で私の考えが「少し」変わったと書いたが、やはりここ数カ月の円相場や株式市場の激しい動きを見ていると投資を始めることに躊躇してしまう。著者は月1,000円でもよいから「とにかくはじめてみる」ことを推奨しているが、心配性の私はもう少し投資について勉強してみたいと思う。
最後に本書で印象に残った箇所を引用してみたい。(投資と関係ないのはご愛嬌)
今日、この瞬間から選択を一つだけ変えてみるのです。
新しい場所に行ってみる。
通学通勤ルートを変えてみる。
レストランで食べたこともないものをオーダーする......。
どんな些細なことでもいいから、
「今までと違う選択」
をしてほしいと思います。
昨日までの選択の結果が、今日の自分をつくっています。
だとするならば、今までと違う選択をしたり、選択の数を増やしたり、選択の質を変えないかぎり、自分を変えることはできません。(P221-P222)
今までと違う選択…少しずつやってみようと思う。
今回の参考書籍。4年連続ファンド対象を受賞したひふみ投信ファンドマネージャーの著者が「投資」と「お金」について語った1冊。著者の考え方は投資に限らず、生活全般について参考になることも多い。